見えない一手間が、見つけてもらう力になる
インスタの投稿は、写真がすべてだと思っていませんか。
きれいな写真を撮って、キャプションを工夫して、ハッシュタグをつける。
それで十分だと思われがちですが、実はもう1つ、目に見えない工夫があります。
それが「代替テキスト(オルトテキスト)」です。
代替テキストは、画像の内容を文章で説明する情報です。
視覚に障害のある方が、読み上げ機能でどんな写真か理解できるようにする、アクセシビリティのための機能です。
それだけでなく、いまのインスタでは検索にも影響すると言われています。
この記事では、解説役として、代替テキストの設定方法と、書き方のコツを整理します。
代替テキストとは何か
まず、この機能の役割を整理します。
- 画像に対して、文章で内容を説明する情報を付けられる
- 視覚に障害のある方が、画面読み上げ機能を使ったときに、写真の内容を音声で聞ける
- キャプションとは別の場所に設定する、目に見えない情報
- 普段インスタを見ているだけでは、設定されているかどうか気づかない
つまり、代替テキストは「その画像に何が写っているか」を、言葉で補足する裏方の役割です。
見た目には何も変わりませんが、設定するかどうかで、届く相手の範囲が変わります。
設定の手順(新規投稿時)
投稿を作るときの操作です。
- 写真や動画を選び、フィルターや編集を済ませる
- キャプションを入力する画面まで進む
- 画面の下のほうにある「詳細設定」をタップする
- 「代替テキストを書く」を選ぶ
- 写真の内容を説明する文章を入力する
- 左上の「<」で戻り、右上の「シェア」で投稿する
代替テキストは、100文字以上入力できます。
複数枚のカルーセルの場合は、1枚ごとに別々の代替テキストを設定できます。
すべての枚数を書くのが大変なときは、最も伝えたい1〜2枚だけでも設定しておくとよいです。

すでに投稿した写真にあとから追加する方法
過去の投稿にも、あとから代替テキストを付けられます。
- 代替テキストを追加したい投稿を開く
- 右上の「…」(メニュー)をタップする
- 「編集」を選ぶ
- 「詳細設定」から「代替テキストを編集」を選ぶ
- 内容を入力・保存する
過去の投稿すべてに追加するのは大変なので、まずは反応が良かった投稿や、いまも見られ続けている投稿から始めるとよいです。
何を書けばいいか:書き方のコツ
代替テキストは、写真を見ていない人が読んで、情景を思い浮かべられるように書きます。
- 何が写っているかを具体的に書く(例:カフェのテーブルに置かれたラテと本)
- 色・形・雰囲気を添える(例:木のテーブル、あたたかい光)
- キャプションと同じ文章を繰り返さない(別の情報として補足する)
- 商品名やサービス名がある場合は、そのまま書く
たとえば、こんな違いがあります。
- 弱い例…「写真」(何の情報にもなっていない)
- 良い例…「白いカップに入ったカフェラテと、開いたノートが木のテーブルに置かれている様子」
写真を見ずに読んで、頭の中に絵が浮かぶかどうかが、書けているかの目安です。
短時間で書き終えるための順番
毎回悩んでしまう人向けに、書く順番の型を紹介します。
- 写真の中心にあるもの(主役)を1つ決める
- その主役が、どこに・どんな状態であるかを1文にする
- 背景や雰囲気を、余裕があれば一言足す
- 読み返して、写真を見ていない人にも伝わるか確認する
たとえば、「1. コーヒーカップ」「2. 木のテーブルの上に置かれている」「3. 窓から差し込む朝の光」とつなげると、「木のテーブルの上に置かれたコーヒーカップに、窓から朝の光が差し込んでいる」という一文ができあがります。
この型があれば、1投稿あたり1分もかからず書き終えられます。
慣れないうちは、この3ステップをメモに貼っておくと、迷わず取り組めます。
検索とのつながり
代替テキストは、アクセシビリティのためだけの機能ではありません。
- いまのインスタは、画像の内容を検索の手がかりとしても使っていると言われている
- 代替テキストに含めた言葉が、検索結果に影響する可能性がある
- キャプションだけでなく、代替テキストにも、検索されたい言葉を自然に含めておくとよい
たとえば「横浜 カフェ」で見つけてもらいたい投稿なら、代替テキストにも「横浜のカフェで撮影した」という情報を自然に含めておきます。
ただし、無理に言葉を詰め込むと、本来の目的(写真の説明)からずれてしまいます。
あくまで「正確な説明の中に、自然に入っている」状態を目指してください。
言葉を詰め込むより、素直に写真を説明したほうが、結果的にちょうどよい量に収まります。
業種別・代替テキストの書き方の例
具体的にどう書けばいいか、業種ごとの例を挙げます。
- 飲食店…「木のテーブルに並んだ焼き立てのパンと、湯気の立つコーヒーカップ」
- 美容室…「明るい色に染めたミディアムヘアを、サロンの鏡の前でスタイリングしている様子」
- ハンドメイド…「白い糸で編んだベビー用の靴下2足を、木の板の上に並べた写真」
- 教室・講座…「ホワイトボードに図を書きながら説明している講師の後ろ姿」
どの例も、「何が」「どんな状態で」「どこにあるか」の3点が入っています。
自分の投稿に置き換えて、この3点を埋めるだけで、十分な代替テキストになります。
難しく考えず、友人に写真を説明するときの言葉遣いで書いてみてください。
自動生成された代替テキストとの違い
実は、インスタは何も設定しなくても、AIが自動で簡単な代替テキストを生成しています。
- 自動生成は「人物が写っている可能性が高い写真」のような、大まかな説明にとどまる
- 手動で設定すると、より具体的で正確な説明に置き換えられる
- 検索や読み上げの精度を上げたいなら、手動での設定がおすすめ
自動生成に任せておくよりも、自分で書いたほうが、伝えたい情報が正確に届きます。
とくに、ビジネスに関わる投稿は、手動で設定する価値が高いです。
自動生成はあくまで補助であって、正確さでは手動にかないません。
すべての投稿に付けるべきか
理想は全投稿への設定ですが、現実的には優先順位をつけます。
- 保存数・シェア数が多い、資産になっている投稿から優先する
- 固定投稿・プロフィールの入り口にあたる投稿は、必ず設定する
- 新しく投稿するものは、習慣として毎回設定する
- 過去のすべてに遡って設定する必要はない(時間をかけすぎない)
「今日からの投稿は必ず設定する」「過去の人気投稿だけ手を入れる」という2段構えで進めると、無理なく続けられます。
完璧を求めて手が止まるより、できる範囲から始めるほうが、結果的に長く続きます。
読み上げ機能でどう聞こえるか
実際に、視覚に障害のある方の端末では、投稿がこう聞こえます。
- アカウント名が読み上げられる
- 続いて「画像」という単語のあと、代替テキストの内容が読み上げられる
- 代替テキストがない場合は、自動生成された簡単な説明(「人物、屋内の可能性」など)が読まれる
- そのあとにキャプションが読み上げられる
代替テキストがあるかないかで、聞こえてくる情報量がまったく変わります。
「人物が写っている可能性」としか分からないのと、「木のテーブルでコーヒーを飲みながら微笑む女性」と分かるのとでは、伝わる情景の解像度が違います。
一度、自分の投稿がどう聞こえるかを想像してみると、代替テキストの大切さが実感できます。
アクセシビリティを大切にする理由
検索効果だけでなく、この機能そのものの意味も考えておきたいところです。
- 視覚に障害のある方も、インスタでつながりを持ち、情報を得ている
- 代替テキストがない投稿は、その方たちにとって「何が写っているか分からない」投稿になる
- 丁寧に書かれた代替テキストは、より多くの人に開かれたアカウントの証になる
検索効果はおまけのようなもので、本来の目的はアクセシビリティです。
その前提を忘れずに、まずは「正確に伝える」ことを優先して書いてください。
「誰にでも伝わる発信」を目指す姿勢そのものが、フォロワーからの信頼にもつながります。
小さな配慮の積み重ねが、アカウント全体の印象をやわらかくしてくれます。
キャプションとの役割分担
代替テキストとキャプションは、似ているようで役割が違います。
- キャプション…読者に語りかける、感情や文脈を含んだ文章
- 代替テキスト…写真そのものを客観的に説明する、事実の情報
キャプションでは「今日は横浜のカフェでひと休み。ラテがおいしくて癒されました」のように、気持ちを込めて書きます。
一方、代替テキストでは「白いカップのカフェラテと、窓際の木のテーブル」のように、写真に写っているものを淡々と説明します。
同じ内容を2回書く必要はなく、それぞれの役割を意識して書き分けると、両方が活きてきます。
忘れずに設定するための工夫
毎回の投稿作業に組み込まないと、代替テキストはつい後回しになりがちです。
- 投稿前のチェックリストに「代替テキスト」の項目を加える
- キャプションを書き終えたら、続けて代替テキストも書く、という順番を決めておく
- 複数枚のカルーセルは、1枚ごとに書くのが大変なら、最低限メインの1枚だけは書く
「あとで書こう」と思うと、たいてい忘れてしまいます。
投稿の作業フローの中に組み込んでしまうのが、いちばん確実な方法です。
よくある質問
Q. 代替テキストは、フォロワーに見えますか。
A. 通常の画面では見えません。
画面読み上げ機能を使っている人だけが、音声で聞くことができます。
Q. 文字数の上限はありますか。
A. 100文字以上入力できます。
長すぎると要点がぼやけるので、簡潔で具体的な説明を心がけてください。
Q. すべての写真に必ず設定しないといけませんか。
A. 義務ではありません。
ただ、設定するほど、より多くの人に届く投稿になります。
Q. リールにも代替テキストは設定できますか。
A. 写真の投稿が中心の機能です。
動画については、字幕(キャプション機能)が同じような役割を果たします。
Q. 代替テキストを書くのに時間がかかります。効率よく進めるコツは。
A. 「何が」「どこで」「どんな様子か」の3点を押さえるだけの、短いテンプレートを決めておくと、毎回悩まずに書けます。
Q. 英語で書いたほうが、海外の人にも伝わりますか。
A. 日本のお客さま向けなら日本語で十分です。
海外にも発信したい場合は、日本語のあとに英語を添える方法もあります。
Q. ストーリーズにも代替テキストは設定できますか。
A. フィード投稿ほど細かい設定はできないことが多いです。
まずはフィード投稿から取り入れてみてください。
Q. 代替テキストを設定すると、投稿の見た目は変わりますか。
A. まったく変わりません。
フォロワーの目に触れるのはこれまでどおりの写真とキャプションだけです。
Q. 誤字があった場合、あとから直せますか。
A. 直せます。
投稿を開いて「編集」から、代替テキストだけを書き直すことができます。
まとめ:今日の一歩
代替テキストは、写真の内容を言葉で補足する、目に見えない一手間です。
アクセシビリティの役割に加えて、検索に影響する可能性もあります。
今日やることは1つです。
次の投稿で、「詳細設定」から代替テキストを書いてみる。
「何が」「どこで」「どんな様子か」を3点セットで、100文字ほどの具体的な説明を入れてください。
慣れてきたら、いまも見られ続けている過去の人気投稿にも、少しずつ追加していきます。
検索の効果はすぐには分かりませんが、アクセシビリティの面では、設定した瞬間から意味を持ちます。
見えないところへの一手間が、より多くの人に開かれた発信につながります。






