同じ質問に、毎日何度も答えていませんか
「営業時間は?」「予約はできますか?」「初めてでも大丈夫ですか?」
DMを開くたびに、同じような質問への返信を打っている。
夜中や休みの日に来たDMには、翌営業日まで返せず、その間にお客さまが他に流れてしまう。
問い合わせ対応は、放っておくと時間をどんどん奪っていきます。
その負担を減らすのが、DMの自動応答です。
無料の「Meta Business Suite」というツールで設定できます。
届いたらすぐ一次返信、キーワードに応じた自動返信、営業時間外の案内。
この記事では、解説役として、DM自動応答の種類と設定方法、使い方の注意点を整理します。
自動応答でできる3つのこと
Meta Business Suiteの自動化機能では、主に次の3つが無料で使えます。
- インスタント返信…DMが届いたら、まず自動でメッセージを1通返す(「お問い合わせありがとうございます。◯時間以内にご返信します」など)
- 不在時のメッセージ…営業時間外にDMが来たとき、自動で案内を返す
- キーワード返信(よくある質問)…特定の言葉を含むDMに、決めた内容を自動で返す
「まず一次返信」「時間外の案内」「よくある質問への答え」を、人が動かなくても返せるようになります。
ただし、複雑なやり取りは自動では無理なので、あくまで「一次対応」の位置づけです。
「よくある質問の8割を自動でさばき、残りの2割の個別対応に集中する」というイメージで考えてください。
準備:プロアカウントとMeta Business Suite
自動応答を使うには、次が必要です。
- インスタがプロアカウント(ビジネスまたはクリエイター)になっている
- Meta Business Suite(アプリまたはパソコンのブラウザ版)にログインできる
- インスタのアカウントが、Meta Business Suiteに接続されている
Meta Business Suiteは、インスタとFacebookをまとめて管理する無料のツールです。
スマホアプリ版と、パソコンのブラウザ版があります。
細かい設定はパソコンのほうがやりやすいですが、スマホアプリでも基本の設定はできます。

インスタント返信の設定手順
まず、いちばん使う「届いたらすぐ一次返信」の設定です。
- Meta Business Suiteを開き、左メニューの「受信箱」を開く
- 右上の「自動化」をタップ(またはクリック)する
- 「自動化を作成」を選ぶ
- 「インスタント返信」を選ぶ
- 適用するチャネルでInstagramを選ぶ
- 返信メッセージを入力する
- オンにして保存する
メッセージの例です。
- 「お問い合わせありがとうございます。営業時間内に順番にご返信しています。少々お待ちください。」
- 「メッセージを受け取りました。ご予約希望の方は、ご希望日と人数をお送りいただけるとスムーズです。」
一次返信があるだけで、お客さまは「ちゃんと届いた」と安心します。
無反応の時間が続くと、「この店、やっているのかな」と不安になり、他を探し始めます。
その最初の不安を消すのが一次返信の役割です。
不在時メッセージの設定
営業時間外のDMには、自動で案内を返せます。
- 「自動化」→「自動化を作成」→「不在時のメッセージ」を選ぶ
- Instagramを選ぶ
- 返信メッセージを入力する
- 営業時間を設定する(曜日ごとの営業時間を登録)
- 保存する
メッセージの例です。
- 「ただいま営業時間外です。◯時〜◯時に順次ご返信します。お急ぎの方は、プロフィールのリンクから予約ページをご利用ください。」
営業時間を登録しておけば、時間内は普通に、時間外は自動案内、と切り替わります。
よくある質問(キーワード返信)の設定
特定の言葉を含むDMに、決まった答えを返す設定です。
- 「自動化」→「自動化を作成」→「キーワード」を選ぶ
- 反応するキーワードを登録する(例:「予約」「料金」「営業時間」「アクセス」)
- そのキーワードに対する返信内容を入力する
- Instagramを選んで保存する
たとえば「料金」というキーワードに対して、メニューと価格をまとめた返信を用意しておきます。
お客さまが「料金を知りたいです」と送ると、すぐに価格表が返ります。
よく聞かれる質問を3〜5個、キーワードと答えのセットで用意しておくと、対応がぐっと軽くなります。
キーワードと返信文の例
キーワード返信は、業種に合わせて用意します。
サロンや教室でよく使う例を挙げます。
- キーワード「予約」→「ご予約ありがとうございます。ご希望の日時を2〜3候補と、初めてか2回目以降かをお送りください。プロフィールのリンクからも24時間受け付けています。」
- キーワード「料金」「値段」→「メニューと料金の一覧です。(メニュー名と価格を3〜5行)くわしくはプロフィールの『料金』のハイライトもご覧ください。」
- キーワード「営業時間」「何時」→「営業時間は◯曜〜◯曜の◯時〜◯時です。定休日は◯曜です。」
- キーワード「場所」「アクセス」「駐車場」→「◯◯駅から徒歩◯分です。専用駐車場が◯台あります。(目印を一言)」
- キーワード「初めて」「初心者」→「はじめての方も多いのでご安心ください。当日は◯分前にお越しいただき、カウンセリングから始めます。」
1つのキーワードに、似た言葉をいくつか登録できます。
「値段」「金額」「いくら」を、すべて「料金」の返信に結びつけておくと、取りこぼしが減ります。
実際に来たDMを1か月ぶん読み返して、よく出てくる言葉をキーワードに足していくのが、いちばん確実です。
自動応答を使うときの注意点
便利ですが、使い方を誤ると印象が悪くなります。
- 冷たい定型文だけにしない(「以下をご確認ください」だけだと突き放した印象)
- 自動返信のあと、必ず人が確認して個別対応する(自動だけで放置しない)
- キーワードの反応が誤爆しないか確認する(「予約したくない」にも「予約」で反応してしまう、など)
- 自動返信であることが伝わる一言を入れる(「※これは自動返信です。担当者からも改めてご連絡します」)
自動応答は「人の対応を速くするための下ごしらえ」であって、「人の対応をなくすもの」ではありません。
最初の一言を自動化して、そのぶん、本当に必要な個別対応に時間を使う。
この考え方で設定してください。
自動返信の文面は、いつも自分がていねいに返しているときの言葉をそのまま使うと、冷たくなりません。
クイック返信(保存済み返信)も併用する
完全な自動ではありませんが、「保存済み返信」も対応を速くします。
- よく使う文章を、あらかじめ登録しておく
- DMの返信時に、ショートカットで呼び出して送る
- 送る前に、相手に合わせて少し手直しできる
自動応答が「相手の言葉に反応して勝手に返す」のに対し、保存済み返信は「自分が選んで送る」ものです。
込み入った質問には、保存済み返信をベースに、少し個別の言葉を足して返す。
自動応答と保存済み返信を組み合わせると、丁寧さとスピードを両立できます。
設定後に見直すこと
一度設定したら、月に一度は見直しましょう。
- 実際に来たDMを読み返し、自動応答が的外れになっていないか確認する
- よく聞かれるようになった新しい質問を、キーワード返信に追加する
- 営業時間が変わったら、不在時メッセージの設定も更新する
- 「自動返信のあと、人の返信が遅れていないか」を振り返る
自動応答は、育てていくものです。
お客さまの質問の傾向は変わっていくので、それに合わせて中身を更新してください。
自動応答とハイライト・投稿をつなげる
自動応答だけで完結させようとすると、返信文が長くなりすぎます。
くわしい情報は、ハイライトや投稿に置いて、自動返信からそこへ案内します。
- 「料金」の自動返信 → 「くわしくはプロフィールの『料金』のハイライトへ」
- 「予約」の自動返信 → 「予約ページのリンクはプロフィールにあります」
- 「初めて」の自動返信 → 「はじめての方向けの投稿を固定しています。ご覧ください」
自動返信は「入り口の案内」、ハイライトや投稿は「くわしい説明」。
役割を分けると、自動返信は短く、分かりやすくできます。
お客さまも、長い文章を読まずに、必要なところへたどり着けます。
導入前と導入後で何が変わるか
自動応答を入れると、対応の流れがこう変わります。
- 導入前…DMに気づく→内容を読む→毎回ゼロから返信を打つ→送る(1件5〜10分)
- 導入後…DMが届く→一次返信は自動→キーワードで基本の答えも自動→人は「個別の部分」だけ返信(1件2〜3分)
とくに効くのが、営業時間外です。
夜10時に来た「予約したいです」というDMに、すぐ一次返信と予約ページの案内が返る。
お客さまは「反応がある」と感じて、その場で予約ページに進んでくれることがあります。
翌朝までゼロ返信だと、その間に気持ちが冷めてしまいます。
「思い立ったとき」に反応があるかどうかは、予約につながるかを大きく左右します。
よくある質問
Q. 自動応答は無料ですか。
A. Meta Business Suiteの基本の自動化機能(インスタント返信・不在時メッセージ・キーワード返信)は無料です。
Q. スマホだけで設定できますか。
A. Meta Business Suiteのアプリで基本設定はできます。
キーワードを細かく作り込むなら、パソコンのブラウザ版が楽です。
Q. 自動返信が送られたことは、お客さまに分かりますか。
A. メッセージの見た目は通常のDMと同じです。
だからこそ、「自動返信です」と一言入れておくと誠実です。
Q. DMではなく、コメントに自動で返すこともできますか。
A. コメントへの自動対応や、コメントからDMへ誘導する仕組みもあります。
ただし規約の範囲で使う必要があるので、まずはDMの自動応答から始めるのが無難です。
Q. 自動応答を設定したら、返信率は上がりますか。
A. 一次返信が速くなることで、お客さまの離脱は減ります。
ただし、そのあとの個別対応を人がきちんとやることが前提です。
Q. 個人アカウントのままでは使えませんか。
A. 自動応答はプロアカウント向けの機能です。
「プロフィールを編集」からビジネスまたはクリエイターに切り替えてください。
Q. 自動返信が、変なタイミングで送られてしまいます。
A. キーワードの登録が広すぎる可能性があります。
反応する言葉を具体的にし、除外したい言葉があれば設定を見直してください。
Q. 複数人でDMを対応しています。自動応答は共有されますか。
A. Meta Business Suiteに接続していれば、設定した自動応答は全員の対応に共通で適用されます。
Q. 自動応答を一時的に止めたいときは。
A. 各自動化のオン・オフを切り替えられます。
イベント期間だけ内容を変える、といった使い方もできます。
まとめ:今日の一歩
DMの自動応答は、Meta Business Suiteの無料機能で設定できます。
「届いたらすぐ一次返信」「営業時間外の案内」「よくある質問への自動返信」の3つが基本です。
自動は一次対応まで、そのあとは人が個別に対応する、と割り切って使います。
今日やることは1つです。
Meta Business Suiteの「受信箱」→「自動化」から、インスタント返信(一次返信)を1つ設定する。
「お問い合わせありがとうございます。順番にご返信します」の一言だけでも、お客さまの安心感は変わります。
慣れてきたら、不在時メッセージと、よく聞かれる質問3〜5個のキーワード返信を足します。
自動返信からは、くわしい情報のあるハイライトや投稿へ案内する。
自動は一次対応まで、そのあとは人が個別に。
この線引きを守れば、丁寧さを保ったまま時間を取り戻せます。






