1.インスタグラム動画集客
ビジネスにおいて、商品やサービス、ブランドの新規顧客やファンを獲得するためには、ターゲットにあわせた訴求やコンテンツが必要です。
インスタグラム集客においても、最終的に商品やサービスを購入・利用してもらうために、どのような顧客を集めたいか、その顧客にどのような印象をもってほしいかということを考えることが重要です。
特に最近、インスタグラムで増えている動画投稿も、どのくらいの長さ(尺)の動画で、その中で何を伝えたいかを考えるにあたって必要な要素となってきます。
インスタグラムでは、最近追加されたリールに加えて、ストーリーズ、IGTV、インスタライブなど様々な機能がある中で、そもそもどれを選べば良いかわからないという方も多くなっています。
この記事では、インスタグラムの集客にあたって、どの顧客をターゲットとして、どのようなコンテンツを投稿していくのが効率的かという視点で、集客の目的を整理する「マーケティングファネル」の考え方と、目的にあわせた動画集客の使い分け方法を解説していきます。
2.動画集客を整理「マーケティングファネル」
マーケティングファネルとは、一般的に、顧客が商品やサービス・ブランドとの関与レベルを現した下記のような漏斗(ろうと)状のフレームワークです。
顧客の購買プロセスをあてはめるものや、顧客の心理を表したものなど、いくつかのパターンがあります。
今回はその中の一例として、ブランドを「知っている」「興味をもって調べている」「購入したことがある」という状態や行動によって、ブランドへの関与レベルを表したファネルを例に説明していきます。
まず、マーケティングファネルを利用する最大のメリットは、商品やサービス・ブランドに対する顧客の関与レベルによって、伝えるべき情報や、伝え方をどのように変化させるかを可視化し、整理することができる点にあります。
一口に集客と言っても、そのブランドを知っているか、知っていないかによって、アプローチの仕方も変わりますし、興味を持っているか、持っていないかによっても、どれくらいのインパクトを与える情報を伝えるべきかが変わってきます。
さらに、そのブランドの商品を購入したことがあるか、ないかによっても、そもそも初めて購入することを促すべきか、2回・3回とリピートするメリットを伝えるべきかなども異なります。
まずは、ご自身の商品・サービスを「多くの人に知ってもらう」ことが先決なのか、知っている人は一定数いるので「知っている人にさらに興味を持ってもらう」仕掛けが先なのか、優先順位の高い部分がこのファネルの中のどこか?という点を明確にしておきましょう。
その際に注意しておきたいのは、当たり前ですが、知っている人がいないと興味をもつ人は増えませんし、興味を持って調べる人がいないと、購入する人も増えません。
この各ファネルのボリューム感を見誤ると、やみくもに集客を行い、結果として無駄なコストやリソースを使ってしまうことになり兼ねません。
ぜひ、最初の一歩として、ご自身の商品やサービス・ブランドは、全ファネルの中でどの段階の顧客が多いのか?少ないのか?ということを、仮説でも構いませんので、認識しておきましょう。
その上で、インスタグラムを用いて、まずはどの顧客にアタックしていくかという戦略を立てましょう。
前提として、インスタグラムでは、全ファネルの顧客にアプローチすることができますが、最もたくさんの情報を伝え、接触機会をもてる確率が高いのはフォロワーです。
つまり「フォローしているかどうか」が最初の分かれ道になります。
他にも、検索タブやおすすめタブ、ハッシュタグなどから、コンテンツにリーチする道筋はありますが、ユーザーの行動に依存してしまい、その特定ワードでの検索や、特定のハッシュタグへの興味関心を前提とした道筋となってしまう点で、私たちではコントロールできない領域です。
そのため、まずはフォローしている可能性という軸で考えてみると、非認知>認知>興味>比較・検討>購買と、その商品やサービス・ブランドへの関与レベルが深ければ深いほど、フォローの可能性が上がります。
ここまではイメージしていただきやすいと思いますが、重要なのは、必ずしも、知っているからフォローしている、興味がある=フォローしているとは限らないということです。
そのため、下記のように、各ファネルの関与レベル × フォローの有無で顧客を分類し、その顧客にとって必要なこと(まずフォローしてもらうことなのか、存在を知ってもらうことなのか、有益なコンテンツなのかetc)を準備・提供していくようにしましょう。
場合によっては、興味があるけどフォローしていない、もっと詳しく知りたいと思っているけどフォローしていない顧客に、インスタグラム以外の場所、例えば公式サイトやメルマガなどで告知していく必要もあります。
目的を定めた上で、最短距離で達成するために必要なタスクを上のグラフで理解し、具体的な仕掛けやコンテンツに落としていきましょう。
3.インスタ動画集客の使い分け方法
前章で説明したマーケティングファネルの中でも、特にフォローしている顧客に向けて、商品・サービスやブランドの魅力を伝えていくときに攻略しておきたいのが「動画」です。
昨今、インスタグラム内では、動画機能の更新や追加の影響もあってか、動画投稿の割合が全体でもかなり増えている傾向にあります。
しかし、動画フォーマットが増え過ぎて、リール・ストーリーズ・IGTV・インスタライブのどれを使用するのが最も効果的か?という点で悩まれる方も多くいらっしゃるようです。
▶︎インスタグラム(リール)・TikTok・Youtubeの使い分け方法の詳細はこちら
そんな時に立ち戻りたいのが、マーケティングファネルで整理した集客の目的です。
どの顧客に、どんな行動を起こして欲しいかという狙いにあわせて、4つの機能を使い分けていきましょう。
▶︎インスタライブ・ストーリーズ・IGTVの違いに関する詳細はこちら
ブランドを認知している顧客~購入手前の3パターン別に見ていきます。
ブランドを認知していてフォローしている層
ブランドの存在だけは知っているという顧客には、さらにブランドに興味を深めてもらうためのフックとなる切り口と、具体的な表現に落としたコンテンツを投稿する必要があります。
あまり興味を持っていない=コンテンツをじっくり見てくれる可能性は低いと仮定すると、長時間の動画を投稿したとて、閲覧してくれる可能性は低いです。
そのため、動画の尺という観点だと、短尺のストーリーズやリールが適しているでしょう。
さらに、ストーリーズとタイムラインの両方からリーチできるという意味でも、リールズで投稿→ストーリーズで投稿したことを告知する2ステップの活用が効果的です。
また、ブランドの存在を知っているということは、ブランド名やメイン商品の存在を知っている可能性が高いと仮定したときに、そのブランドが何者で、閲覧しているユーザーにどんな世界観やメリットをもたらすかということを、パッと見でイメージしやすいコンテンツが必要です。
例えば、ブランド名+そのブランドを想起させるような配色や写真・映像を使用したイメージムービーや、ブランドのイメージと近いインフルエンサーによる商品紹介ムービーなどのコンテンツを投稿することで、よりそのブランドに興味をもてる切り口を提供できるでしょう。
ブランドに興味を持っていてフォローしている層
ブランドに興味を持っている顧客の場合、さらにブランドの詳細を知りたい、もっと見たい聞きたいと感じてもらえるようなコンテンツを投稿する必要があります。
やや興味を持っている=自身の興味のある切り口や好きなニュアンスであれば、コンテンツの尺を問わずじっくり閲覧してもらえる可能性が高いです。
そのため、動画の尺という観点では、ある程度長尺のIGTVやインスタライブを活用することでアカウントに対するエンゲージメントを高めていく効果も期待できます。
特に、インスタライブは生配信という点で、「今見なければ機会を逃してしまう」という心理から、興味をもっているユーザーにはアテンションをとりやすいフォーマットです。
そこと駆けわせて、ご自身のアカウントをフォローしているユーザーはどのような切り口のコンテンツに惹かれやすいかという点を、インサイトで分析し、傾向を炙り出した上で、関連性のあるテーマ・切り口をいくつかもっておきましょう。
また、重要なことは、そうした興味をもちやすいコンテンツを定期的に投稿していくことです。
例えば、毎週●曜日の●時に配信するということを決め、プロフィール画面に記載をしておく、イベント機能でストーリーズでの告知をする、等で、興味をもっている人が確実にコンテンツにアクセスできるような導線の準備は欠かさずに実践しましょう。
ブランドをもっと詳しく知りたいと思っていてかつフォローしている層
ブランドをもっと詳しく知りたいと感じている顧客の場合、実際に購入して試してみたい、利用してみたいと思ってもらえるようなコンテンツとオファーが必要になります。
深く興味を持ち、実際にどのブランドの商品やサービスを、他のブランドのものと比較・検討している段階のため、他の競合と異なる、独自の魅力ポイントを伝えるようにしましょう。
この段階だと、プロフィール画面にアクセスし、他の情報やコンテンツを積極的に取り入れ、見聞きしたいと感じている可能性が高いため、リールズ・IGTV・インスタライブのアーカイブ保存とほぼすべての動画フォーマットが有効です。
そのため、リールズで投稿したコンテンツの中でも、エンゲージメント率が高く、あたりのコンテンツのテーマ・切り口を踏襲し、IGTVでじっくり解説したり、インスタライブでそのカテゴリに詳しい第三者とのコラボライブを配信することで、詳細情報を伝えることや、一対一の質問に対する回答まででき、購入にあたっての疑問点やモヤモヤの解消まで効果が期待できます。
そうした動画コンテンツは、プロフィール画面で蓄積され、後から訪れたユーザーに対しても、動画を削除しない限り閲覧してもらえる資産となるため、積極的に量産していきましょう。
また、そうしたエンゲージメント率の高い動画を「人気動画」と題してストーリーズで告知することで、まだ深く興味は持っていない層や、ただブランドを知っているだけの層にも関心をもってもらいやすいコンテンツとして配信することもできます。
4.インスタ動画集客とマーケティングファネルまとめ
インスタグラムの動画集客では、顧客のステージにあわせた訴求とコンテンツが必要ということと、具体的な考え方・実践方法を解説してきました。
特に、マーケティングファネルの考え方は、インスタグラムだけではなく、他のSNSやまWEBマーケティング全般に活用できるため、ぜひ積極的に活用してみてください。
インスタグラムは、フォロワーやいいねなどの数値で効果を見やすいというメリットがありつつ、ただそれらの数値項目を増やせば売上が上がるという訳ではありません。
ご自身のアカウントの状況にあわせて目的を整理した上で、効率的に集客をしていくという視点で、この記事を参考にしていただけると幸いです。