インスタグラム「広告関連度診断」の基礎知識やメリット、広告品質、活用方法を徹底解説!

1.この記事について

インスタグラム広告での集客を効率化するための手段はさまざまありますが、特に活用しておきたいのが”広告関連度診断”です。

広告関連度診断とは、インスタグラム広告の提供社でもあるFacebook社が提供しているツールで、広告管理画面より利用することができます。

この記事では、広告関連度診断の概要から活用することで得られるメリット、広告効果を改善するための具体的な方法まで解説していきます。

インスタグラム広告で「広告効率を改善したい」とお考えの方や、「まだ広告関連度診断をあまり利用していない」という方にはぜひお読みいただきたい内容です。

2.広告関連度診断とは

広告関連度診断とは、InstagramおよびFacebookに掲載する広告(すでに広告として登録しているもの)に対して、Facebook社が独自の基準で判断する広告品質のことを指します。

具体的には、以下3つの指標をもとに広告品質が判断されます。

・品質ランキング

・エンゲージメント率ランキング

・コンバージョン率ランキング

ランキングというワードからも想像できるように、ご自身の広告が、絶対的な基準を達成するかということではなく、他のアカウントによる広告との比較のなかで、相対的な判断がされます。

比較対象となるのは、同じオーディエンスターゲットに対して入札オークションにかけている競合アカウントによる広告です。

この広告関連度診断で高い評価がされることで、競合アカウントよりも品質が良いと判定され、広告掲載にかかる費用を抑える効果や、広告審査に落ちにくいことが期待できます。

※ただし、広告関連度診断の結果と、広告のパフォーマンスに一定の相関性があるという調査データなども存在するものの、必ずしも高い相関性があるものと明記はされていないため、念頭に起きつつ、効果検証などに活用されることをおすすめします。

各指標の詳細を解説していきます。

品質ランキング

同じオーディエンスに対して競合している広告と比較したときの品質の評価です。

評価の材料となるのは、低品質なコンテンツの特徴に該当するか・ユーザーから非表示や報告などのフィードバックを受けたか・遷移先のページでの滞在時間や直帰率などです。

評価の結果は、「平均より上」「平均」「平均より下」(平均より下は、さらに下位10%、20%、35%に分類)の段階で判定されます。

▶︎低品質なコンテンツの特徴はこちらをご確認ください

エンゲージメント率ランキング

同じオーディエンスに対して競合している広告と比較したときの予測エンゲージメント率に対する評価です。

評価の材料となるのは、広告を見たユーザーのいいね・クリック・シェアなどの拡散に至る確率から算出され、診断結果は品質ランキングと同様の5段階で評価されます。

コンバージョン率ランキング

広告の”目的”や”最適化対象”が同じで、同じオーディエンスに対して競合している広告と比較したときに、ユーザーがコンバージョンする可能性(予測コンバージョン率)に対する評価です。

*広告の”目的”とは、利用者が広告を見た時に実行させたいこと。例:購入、申し込み、フォロー

*広告の”最適化対象”とは、より多くの結果を効率的に得ようとするときに最も価値を置く内容。例:リンクのクリック、インプレッション

評価の材料となるのは、過去35日間の情報で、品質ランキング・エンゲージメント率ランキングと同様の5段階で評価されます。

※500インプレッション以上の広告で利用可能な指標です。

3.広告関連度診断を活用するメリット

広告関連度診断を活用するメリットは以下3つとなります。

 1.効果の悪い広告の品質面における改善ポイントが把握できる

 2.広告オークションでパフォーマンスを上げるための仮説立てができる

 3.広告審査で落ちやすいポイントを把握できる

詳細を解説していきます。

広告関連度診断を活用することで得られるメリットは、診断結果から、効果の悪い広告における改善すべき指標とポイントわかることです。

例えば、下記のような診断結果の場合

 品質ランキング 平均より下

 エンゲージメント率ランキング 平均より上

 コンバージョン率ランキング 平均より上

改善すべき指標は「品質ランキング」となります。

そして、改善すべきポイントは

「①クリエイティブアセットの品質を改善」

「②広告の品質を高く評価してくれそうなオーディレンスをターゲットに設定する」

「③低品質とみなされるクリエイティブは使用しない」

の3点となります。

※診断結果に対する改善すべきポイントは、Facebookビジネスヘルプセンターで公開されているので、診断を実行する際に、ぜひ詳細を確認しておきましょう。

つまり、ざっくりと解釈すると

・ターゲットのニーズに沿った広告クリエイティブと遷移先ページに変更する

・現行のクリエイティブのまま、よりそのクリエイティブがマッチするターゲット設定に変更する

のいずれかの改善策を実行することで「品質ランキング」の改善が期待できるということです。

そして、こうした広告品質の評価を改善することで、オークションでのパフォーマンスが高くなることが期待できます。

逆に、低品質の広告は、オークションで優位に立てないため、入札価格勝負となってしまい、コストがかかることで予算に対する配信母数が減り、獲得できる結果(コンバージョン)が減ってしまうことを意味します。

ただし、広告のオークションにおけるパフォーマンスは、それ自体をダイレクトに数値で終えるものではなく、結果としてかかったクリックあたり単価(CPC)やコンバージョン単価(CPA)で判断したり、関連する指標から類推することができるものです。

関連する指標とは、オークションにおける競合度合いや、ターゲットオーディエンスに対して広告が飽和していないか(頻繁に表示されて結果が得られていない)かなどという内容です。

広告マネージャーの”確認ツール”より確認することができます。

▶︎”確認ツール”へのアクセス方法はこちら

つまり、新たなクリエイティブを掲載スタートしたが、既存のクリエイティブよりもCPCが高いとなった場合、そのターゲットオーディエンスにおける競合アカウントの多さが関係している可能性もありますし、広告品質が高い可能性もあります。

そうした可能性をひとつひとつ潰しながら、どの指標がボトルネックになっているかの仮説を立て、次の改善に役立てていくことができるのも、広告関連度診断を活用するメリットの一つです。

加えて、広告関連度診断では低品質なクリエイティブとみなされるものは、品質ランキング評価が下がることから、そうした傾向を把握することで、広告審査に落ちやすいポイントを把握することにもつながります。

▶︎広告審査に通過するためのポイントについてはこちらをご確認ください

以上のようなメリットを得ることができるため、広告のパフォーマンスが目標達成しない場合や、効率が悪化してしまった場合などに活用することをおすすめします。

4.広告関連度診断で広告効果を上げるための仕組み

実際に、どのように広告関連度診断を活用することで効果が得られるかを解説していきます。

前章で解説した通り、広告品質を上げることでさまざまなメリットを得ることができますが、広告効率という側面においては、広告オークションでのパフォーマンスでの上がることが、最もダイレクトに数値に影響します。

広告オークションとは、”オークション”という言葉の通り、特定のオーディエンスターゲットに対して、複数の広告配信アカウントが競い合い、もっとも条件の良いアカウントから広告掲載が採用されていく仕組みとして機能しています。

条件は、大きく3つの要素で構成されています。

 入札価格 × 推定アクション率 × 広告品質

競い合う相手は、広告作成時に設定するターゲットオーディエンスによって決定されます。

例えば、わかりやすい例だと、興味関心「美容」でターゲティングした際に対象となるAさんが、35歳以上・女性・興味関心「美容」でターゲティングしたときの対象にもなり得る時、この2つのアカウントが競合するという構造です。

言い換えると、ある利用者に広告を表示する機会がある場合、利用者が含まれるオーディエンスをターゲットに設定したすべての広告がオークションで競い合うこととなります。

つまり、同じターゲット設定をしているアカウントのなかで「入札価格」「推定アクション率」「広告品質」の軸において、良い条件を出すことで、オークションで勝ちやすくなるわけです。

しかし、入札価格には予算という制限があり、なかなか大幅に上げることができないとした場合に、勝負の肝となるのが「推定アクション率」「広告品質」であり、ここを改善することで、競合よりも入札価格を低く広告掲載できる可能性が期待できます。

「推定アクション率」とは、ターゲットと推定される利用者がその広告でアクションを実行するか、広告経由でコンバージョンに至るかを示す指標です。(広告関連度診断におけるコンバージョン率ランキングと近い指標)

「広告品質」は、広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックや低品質とみなされる広告の特徴などさまざまな要素から判断された広告の品質評価を指します。(広告関連度診断における品質ランキングと近い指標)

()に記載した通り、いずれも広告関連度診断と近い数値として検証することができます。

そのため、広告関連度診断の3つの指標を改善する中で、上記のオークションで優位になる条件を改善することにもつながる可能性が高く、結果として、入札価格を抑える効果が期待できるわけです。

5.まとめ

インスタグラム広告で集客において、目標値を達成できない場合や、広告のパフォーマンス悪化が見られる場合、広告関連度診断の活用をおすすめします。

診断結果によって、改善すべきポイントの洗い出しと、具体的な数値検証の仮説立てに役立てることができるためです。

特に、広告を低い入札価格で掲載したい場合に、広告品質の改善、結果として得られるユーザビリティ・ユーザーのニーズに沿ったコンテンツ制作のヒントは、継続的に広告で集客をしていく際に重要な施策材料となります。

むやみにクリエイティブを大量生産したものの、なかなか効果が出ないという制作コストの浪費や検証の無駄打ちといったリスクを事前に防ぐことにもつながります。

また、広告審査で通過しにくいポイントの把握にもつながり、広告掲載においては一石二鳥のメリットがあります。

ぜひ、この記事をみながら広告関連度診断を活用し、効果をあげる検証・テストを実施してみてください。