インスタグラムのダイナミック広告とは?基本と仕組み・メリット・配信手順を徹底解説!

1.この記事について

インスタグラムで集客するための手段として、ダイナミック広告という配信手法があります。

ダイナミック広告は、適切なターゲットに対し、複数の商品・サービス中から最適なものをピックアップし自動で配信できる仕組みのため、大きなリソースをかけずに広告配信できる点が大きな魅力です。

また、製品カタログと呼ばれる、商品・サービスの一覧をマスタとして1つ作成しておくことで、自動でクリエイティブや広告文を生成してくれるため、集客効率アップのための膨大な制作リソースを確保できない事業者や、複数商品を販売していきたい場合に効果的な手法です。

この記事では、そんなダイナミック広告の概要、利用するメリットから必要な準備内容までを解説していきます。

広告運用初心者の方や、広告代理店に広告運用の委託を検討している方におすすめの内容となっておりますので、ぜひご活用いただけると幸いです。

2.Instagramダイナミック広告とは

インスタグラムはもちろん、Facebookやオーディエンスネットワーク(Facebook社が提携しているアプリやサービス)を利用しているユーザーに対して配信できる広告のひとつです。

最も大きな特長は、数多くの商品の中から、ユーザーひとりひとりにあった関連性の高い商品を自動でピックアップ・配信してくれる点です。

広告配信したいすべての商品・サービスが入ったカタログを1つ作成すれば、あとはいくつかの設定さえクリアできれば、手軽に広告配信をスタートすることができます。

通常のバナー広告だと、集客効率を上げるために、ターゲットや複数パターンのバナーを作成・設定し、ひとつひとつ手動で効果検証と改善を繰り返す必要があるのに対し、ダイナミック広告の場合、ターゲットと適切な商品を機会学習して配信してくれる点もひとつの魅力です。

さらに、インスタグラムはもちろん、Facebookを利用しているユーザーの中でも、自社の商品・サービスに興味を持ちやすそうな見込みユーザーに対して配信したり、すでに興味をもってWebサイトに訪問したユーザーに対しても購買・利用の促進をすることができます。

多品目の商品やサービスを扱い事業者にとって非常におすすめの広告配信手法で、具体的な例だと複数種類の商品を取り扱うECサイトや求人サイト、不動産サイトなどへの集客に向いています。

3.Instagramダイナミック広告を利用するメリット

インスタグラムで利用できるダイナミック広告ですが、もともとはFacebookで登録された個人情報やデータ・FacebookIDをもとに、Facebookで利用できる広告配信サービスで、現在はインスタグラムまで拡大しているという経緯があります。

そのため、Facebookデータと紐づいたより高精度なターゲティングをできるため、効率的な集客が可能です。

GoogleやYahooなど、他のプラットフォームにも類似した商品カタログ広告と呼ばれる手法が存在しますが、通常、一般的な広告の場合はCookieという仕組みを使用しており、ブラウザやデバイスをまたいでのターゲティングが精緻に実行できません。

対して、インスタグラム で利用できるダイナミック広告は、前述した通り、FacebookIDを元にしたターゲティングによって、ブラウザやデバイスをまたいだ高精度なターゲティングが可能です。

例えば、iPhoneのSafariを通してインスタグラム を利用したユーザーに対して、再度Google Chromeからインスタグラム を利用した場合も広告配信が可能ということです。

また、インスタグラム広告全般に対して言えることですが、インスタグラムだけでなくFacebookやオーディエンスネットワークと呼ばれる、Facebook社と提携しているアプリ・サービスを利用するユーザーに対しても広告配信が可能な点も、相対的なメリットと言えます。

オーディエンスネットワークに含まれる配信先例
グノシー、C CHANNEL、東洋経済ONLINE、現代ビジネス、weblio、Baidu、Dメニュー、auスマートパス、ジョルダン乗換案内、食べログ、Retty など

4.Instagramダイナミック広告の種類

▼ターゲティング(誰に対して広告配信したいか)

ダイナミック広告で利用可能なターゲティングは大きく2種類あります。

(1)オーディエンス広告

性別や年齢・地域などの属性、興味関心などでしぼったターゲットユーザーに対して広告配信する方法です。

過去に購入完了にいたったユーザーや、サイトに訪問した履歴のあるユーザーと似たユーザーに対して、類似オーディエンスもここに含まれます。

以上のように、特定のテーマでしぼって狙い撃ちすることができる上に「購入済のユーザーは除く」といった除外設定も可能です。

(2)リマーケティング広告

オーディエンス広告はサイト未訪問ユーザーを、特定のテーマにしぼって見つけてくることができる機能なのに対し、リマーケティング広告では、サイトに訪問したユーザーに対して配信する方法です。

例えば、以下のようなユーザーを対象として活用することができます。

-詳細ページを閲覧したが購入に至らなかった人に対してリーチ

-カートに追加したが購入に至らなかった人に対してリーチ

-購入履歴のある人へ新製品の紹介

-購入履歴のある人へ関連製品の紹介

-関連する他の商品の紹介

-関連するカテゴリ商品の紹介

▼掲載場所(どこに広告が掲載されるか)

ダイナミック広告では、主にインスタグラム内のタイムライン・ストーリーズに広告を掲載することが可能です。

加えて、Facebookのタイムラインや所定の広告枠、オーディエンスネットワークに含まれるサービス・アプリ内への掲載が可能です。

▼広告フォーマット(どんなクリエイティブで訴求できるか)

大きく4種類のフォーマットで配信が可能です。

 シングル画像

 カルーセル

 コレクション

 Instagramストーリーズ

5.Instagramダイナミック広告をスタートするために必要なもの

前提として、広告配信に必要な準備物を理解するために、どのような仕組みで広告が配信されるかのおおまかな流れをイメージしておきましょう。

まず、自社サイトに設置したトラッキングタグ(信号を発信するイメージ)を通じて、ユーザーが自社サイトでどのページ・商品を閲覧したか、あるいは、カートに入れたかという行動状況がインスタグラムに伝えられます。

その情報を元に、製品カタログと呼ばれる、広告配信対象の商品一覧から適切な商品を選び、広告フォーマットから適切な画像+テキストの組み合わせを生成し、ユーザーがインスタグラムを利用した際に広告配信がなされるというイメージです。

そのため、広告配信のために、以下内容を事前に準備しておく必要があります。

1)製品カタログ(広告の種類ともなる商品一覧、マスタのような存在)

広告の管理画面となるFacebookビジネスマネージャーに製品カタログ一覧をアップロードします。製品カタログとは、広告で露出したい商品・サービスをリストとして一覧化したものです。

2)トラッキングタグの発行、設定

Facebookピクセルと呼ばれる、ユーザー行動を参照するためのタグを設置します。

モバイルアプリの場合は、Facebook SDKとアプリイベントを組み込んでおきます。

3)広告フォーマット

実際に広告として配信する画像、テキストを作成し、登録します。

指定されたサイズやファイル形式で作成する必要があるため、以下一覧を参考にして作成してみましょう。

<画像>

 シングル画像

  画像アスペクト比=1.91:1

      画像サイズ=500×500ピクセル以上

 カルーセル

  カルーセルとは、複数画像をスライドして閲覧できる形式の広告です。

  画像枚数=2~30枚

  画像アスペクト比=1:1

  画像サイズ=500×500ピクセル以上

 コレクション

  画像アスペクト比=1.91:1

  画像サイズ=1200×628ピクセル以上

 インスタグラムストーリーズ

  画像アスペクト比=9:16 16:9~4:5

  画像の上下約14%(250ピクセル)は余白を作り、プロフィールアイコンやCTAボタンで隠れないようにします。

※アスペクト比とは、画像の縦横比率のこと。

※CTA(コールトゥアクション)ボタンとは、画像下部に表示される「予約する」「詳細はこちら」等のWEBサイトへのリンクバナー部分を指します。

▶︎設定に関する詳細はこちら

※ダイナミック広告をふくむすべてのインスタグラム広告で、以下内容を準備しておく必要があります。

・Facebookページ

・インスタグラムアカウント

・支払い用クレジットカード

6.Instagramダイナミック広告を成功させるためのコツ

ダイナミック広告を活用して集客アップをするために、インスタグラム上の事前準備とは別に、サイト上でしておくべきことがあります。

1)リンク先ページの商品情報を正しい状態にしておく

在庫や価格情報など、変化する情報は常にチェックし、最新の情報に更新しておきましょう。

もし広告からサイトに遷移し、商品を購入しようとしたときに在庫がゼロとなると、広告配信コストはそのままかかる上に、売上機会の損失となってしまいます。

2)ユーザーにとってわかりやすいクリエイティブ設計

ユーザーが広告クリエイティブを見て、「もっと詳細を知りたい」「購入したい」という状態でサイトに遷移した際、該当の商品がぱっと見てわかる状態にしておくことが重要です。

あわせて、サイトで実行する行動を見据えて、ユーザーにストレスのない導線を設計・実装しておくことも実践しておきましょう。

7.まとめ

インスタグラムのダイナミック広告は、他プラットフォームと比較しても、Facebookで登録されたデータを元に正確なターゲティングができる点が魅力です。

正確なターゲティングは、商品・サービスに興味のないユーザーを排除する効果が期待できるため、無駄なコストを発生させることや、広告のクリック率・購買率の低迷を防ぐことができます。

また、たくさんの商品を扱う事業者にとって、商品ごとの広告設定を手動で行うことは、それだけでも膨大なリソースや予算がかかってしまうデメリットを生み、広告配信という協力な集客手段を実行に移せない要因のひとつとなります。

ダイナミック広告では、製品カタログとトラッキングタグの設置、広告フォーマットさえ準備できれば、自動で適切なターゲットに適切な商品をリーチさせることができるため、非常に省力で実行できる配信手法と言えます。

しかし、広告の最低限の準備だけでは、広告からサイトに移動した先での購買や検討の行動がスムーズにできない可能性を生んでしまうため、在庫情報や価格の設定、ユーザーが行動しやすい導線やクリエイティブの設定は欠かさずに実践しましょう。

ぜひ、この記事を参考にしていただき、インスタグラムのダイナミック広告配信スタートにお役立ていただけたら幸いです。